* 2004年 4月29日〜5月5日
第1回 九州ツーリング *
5日目 5月3日


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まず最初にお断り。
旅の途中でデジカメのデータが壊れてしまいました。
ということで、この日以降の写真がありません。
私のつたない文章だけになってしまいますが、ご了承くださいませ。

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今日の最初の目的地は日本本土最南端、佐多岬。
これは今回の旅一番の目的地でもあります。

先っぽだからといって、一体それがどうした? といえば、
まあそれまでなのですが、最高速だの最大級だの最新鋭だの、
「一番」というわかり易い価値観に魅力を感じずにはいられないのが
人の性というもの。

実は佐多岬は某企業の私有地で、その企業が経営難のため、
最南端へ至る有料道路「佐多岬ロードパーク」を2004年2月で閉鎖すると
発表していたのですが、とんでもない! という反対の声もあり、
閉鎖はずるずると延長・・・。

とりあえず、この連休が終わるまでは営業するとのこと。
」 つまり、今を逃すと次に行けるのはいつになるか分からないわけです。
ちなみに2004年8月現在、閉鎖したという話は無いようです。

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午前7時30分。
天気は辛うじて雨が降っていないという感じですが、
昨夜一緒に飲んだ、「遊び人」Tシャツの隼乗りの人と、
熊本で知り合ったM氏と3人で最南端を目指して出発しました。

桜島の南側の溶岩道路を走り、高倉健主演の映画「ホタル」の舞台となった
海潟漁港へよったりしながら国道220号をぐいぐい南下。

それにしても遠い。
佐多岬は地図で見るより遠いよ、といろんな人から聞きましたが
なるほど本当に遠い。
私は先頭を走るのが苦手なんですが、途中順番を入れ替えたりして
曇り空のなかを南へ南へ・・・。

途中、とうとう雨が降り始め、雨宿りできる所を探しても見つからず、
民家のガレージを貸して頂いて、そこでカッパに着替え、
再び南へ南へ・・・。

11時ちょっと前。桜島から約100km弱。
佐多岬ロードパークの入口へ到着。

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通行料金がバイクで400円って・・・。
管理するお金が無いから、廃業するというこの道路。
長年ほったらかしで、アスファルトはやせ細ってるし、
所々大きな穴が空いているわ、歩道が無いから車以外通行禁止だし。
一体、高い通行料はどうやって使われているのか・・・。

それはさておき、駐車場から展望台までは、さらに徒歩で20分ほど。
幸い雨が上がったので、これ幸いとカッパを脱いで、
さらに通行料金を取られて、ボロボロな公園内を歩き憧れの最南端へ。

最南端の展望台へ登り、南の方へ目をやると・・・。
おやおや、最南端に来たはずなのに、どういうわけか岬は南へ続いていて、
先っぽには灯台が立っていて、人が歩いているではありませんか!

んむー。

そう。佐多岬の展望台は、真の最南端にあらず。
本当の最南端へは、道なき道を半日仕事で行かねばならないらしい、
ということは話には聞いていましが、時間の都合上それは無理。
本当の南端でなくても、まあ仕方ないと思ってましたが、
いざ目の前にしてみると非常に悔しい・・・。

遊び人の彼が数日前に一緒にキャンプしたというライダーさんに再会し、
みんなで記念撮影をしたりして、楽しく過ごして、時刻は13時頃。

この先はみんなそれぞれ目的地がことなるので、
ここでお互いの旅の無事を祈りつつ出発。
私の次の目的地は、現在地から鹿児島湾を挟んで反対側の指宿です。

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フェリーに乗るべく先ほど通った道を戻って桜島へ。
行きは元気でしたが、今はお腹もぺこぺこ。
遠い道のりがますます遠く感じられます。
もくもくと走りつづけてやっと再び桜島へ。

今度は北側を通って港を目指してみると、南側よりずっとひっそりとした印象。
すっかり観光地化してにぎやかな南側よりもこちらの方が好印象。
こちら側から見る海はとても穏やかな感じがします。
噴火の際に鳥居の上部を残して埋まってしまった
鳥居埋没地におどろいたりしながら、ちょっと急ぎ足で港を目指します。

15時半。フェリー乗り場の前にある道の駅桜島へ到着。
やっと遅めの昼食にありつける! と思ったら、さすが桜島。
ものすごく込んでいて、待ち時間が30分以上・・・。
そんなには待っていられないので、お土産を物色して、
16時半にフェリーに乗っていざ鹿児島へ。

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桜島フェリーは24時間営業で、短い時にはなんと10分おきに運航。
バイクだと運賃310円とたいへん安い安い。
所要時間はたったの15分なので、船内でいそいそとうどんを食べているうちに
鹿児島に到着してしまいました。

当初の予定では、鹿児島は正午に到着して、
名物のシロクマ(ミルク味であんみつとかが載ったの巨大なかき氷)を
食べてみたかったのですが、すっかり遅くなってしまったので、
真っ直ぐと指宿スカイラインを目指して市内をパス。

指宿スカイラインは薩摩半島を縦断する有料道路。
高速道路と違ってただの峠道だと聞いていたのですが、
なるほど、路面の悪い伊豆スカのような感じ。

それでも結構いいペースで気持ちよく走っていると、
ものすごい濃霧に遭遇しました。
文字通り、一寸先も見えないような状況にビビリつつも
バイクを路肩に寄せて写真撮影(ただの真っ白な絵)を敢行したりして、
それなりに楽しんで指宿をめざします。

途中、少しの間だけ霧が晴れたのですが、そこから見えた眼下の風景は、
これはまた大変大変美しかったです。
天気がよければさぞ素晴らしいでしょうなあ。

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「アロハ宣言の街」

というあちこちに立っている看板に首をかしげながら、
指宿周辺でちょっと迷子になったてさまよって、
19時頃に指宿の湯の里ユースホステルに到着。
ここはオーナーご夫婦が自宅の2階を客室にしたところで、
最大10数名しか泊れませんが、とてもアットホームな感じで良かったです。

名物砂蒸し風呂は、すでに予約で一杯だったので、
ご主人お薦めの温泉、島津藩主も愛用したという「殿様湯」へ
ユースで知り合ったライダーさんと行きました。

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大変だ! 人が倒れている!

殿様湯に行ってみると、湯船の横で老人が倒れているではありませんか。
湯当りでもしたのか、もしや心臓発作?!

すると老人が急に動きました。
寝そべったまま、おもむろに風呂桶を取り、
風呂の湯をすくって自分の体にかけている・・・。

?!
よく見ると、老人の頭の下にある木で出来た枕のようなものと同じ物が、
風呂桶といっしょにたくさん積んであります。
うむむ。これはもしや!

ユースに戻り、お上さんに聞いてみると、
湯船からあふれるお湯の中に寝そべるのがここらへんの風習なよう。
非常に気持ちいいらしい。

普通に浸かっていても、なかなか結構なお湯でしたが、
そんな楽しみ方もあるんですね。
次はチャレンジしてみようかしら・・・。

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ユースのお上さんはかなりの焼酎コレクターらしく、
そのうちの一部を宿泊客にも飲ませてくれます。
メニューには東京で飲んだら1杯1000円以上だったり、
とても手に入らないものが、500円ほどでずらり。
焼酎はなかなか大好きなので、これはたまりません。
お上さんの焼酎談義や指宿の話を聞きながら、楽しくすごしました。

そうそう。「アロハ宣言の街」の謎も解けました。
指宿では夏の間はアロハが正装だそうです。
これは涼しそうです。東京も真似して欲しい・・・。

さあ、明日は砂蒸し風呂に入って鎌倉へとんぼ帰りです。

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本日の走行距離 346km



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