2003年 9月13日〜9月14日 第4回BANDS全国OFF 
 * その1 9月13日 土曜日 晴れときどき雨、他 * 


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今回のルートは、前ページの >>地図 で黄色く囲ってある町を
通っていくような感じにしました。
何故、「感じ」なのかというと、ちゃんと決めていなかったからです(^-^;

ツーリングマップルの「47都道府県庁所在地距離表」をみると、
横浜-金沢間はたったの296km。思ったよりもずっと近い。
まあ、真っ直ぐ行ける道がないから400kmぐらいになるのかな?
いつも日帰り下道ツーリングをすると300kmぐらいなので
400kmぐらいならちょっと頑張る程度。

だいたい平均時速40〜50kmぐらいで走れるから、朝3時に出て、
休憩入れて12時間あれば着くでしょう。
うん。余裕余裕。

賢明な方ならば、というかちょっと考えてみる気持ちがあれば、
これが大間違いである事にすぐに気づくに違いないのですが
地図で道を追ってみていると「結構遠かった」ので面倒臭くなったのです。
↑この文がすでに先ほどと矛盾していることに気づかない・・・

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さてさて。
出発前日は夜22時頃に会社から帰宅。
ごはん食べたり準備をしていたら0時になってしまいました。
これで、朝3時出発なんて可能なのか? というとやっぱり無理でした。
目が覚めたら3時半・・・。
家族を起こさないようにこっそりと服を着替えて、荷物を積んで・・・
午前4時20分、いよいよ出発。

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家を出た時は真っ暗だったのに、海沿いの国道134号に出るころには
日が昇り始めていました。
この134号線という道は有名だけど走っていて気持ち良いと思ったことが
実のところ無かったのですが、なるほど、早朝は綺麗だし渋滞もなくて
なかなかのもの。
写真に取りたかったけど、出発遅れているので先を急ぎます。
今度早起きして撮りに来よう・・・。

二宮あたりで海沿いから山の中へ入って秦野中井方面へ。
東名には入らずに国道246を西へ西へ走ります。
そういえば、一昨年の第2回全国OFFで河口湖へ行った時と同じ道だなあ
あの時はめちゃくちゃ混んでいたなあ・・・とか思い出しながら
快調に進んで、6時半には御殿場に到着。
牛丼屋に入って朝ごはん。

腹ごしらえも済んで、再び旅路へ。
ちょっと走るともう河口湖です。
ちょっと曇り空で、富士山が見えないのと、さすがは河口湖、
こんな早朝から車が一杯! なのが残念・・・。

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さて。ここで、ちょっとテンションが下がってしまったのですが、
その理由は渋滞だけではないのです。
というのも、第2回全国OFFの帰り道に突然バンディットが不調になったのを
思い出したからです。特に標高が高いわけでもないのに、急に不調に見舞われ、
また急に直ったのですが、未だに原因は不明のまま。

今回も調子が悪かったのをなんとか間に合わせただけなので、
またおかしくなったらどうしよう・・・
いままで快調に走っていたからそんな事忘れていたよ。
まあ、そんなに杞憂することもないでしょう。

と、再び安心しかけたその時でした!

ドルドルドルドル・・・・・・
え? 冗談みたい。また河口湖?!

どうしよう・・・。
私の大事な馬は、家から100km離れた山の中で力尽きてしまったのでした。
って、本当にどうしようよ(>_<)

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さてさて。

河口湖畔にてダウンしてしまったバンディット。
再始動してみると、お。
エンジンはかかりましたが、明らかに音がおかしいです。
これでは輪島へ行くどころか家にも帰れません。

いつまでも道路の脇にいるわけにも行かないので
とりあえず近くに見えるコンビニの駐車場へ行って考えよう・・・
と、バイクを移動させてみると、おや?
発進する時は、今にも止まりそうなほど弱弱しいのですが
少し回転があがるとちゃんと走るみたい(気のせい?)。
なんとなく、単にカブっているだけのような気もします。

掃除したばかりのキャブに再び錆びが詰まったのならアウトですが
前にも書いたように、キャブを組み立てた後、同調はおろか
パイロットスクリュ(P/S)すら調整していないので、
もしかしたらそのせいかもしれないなあ、ということで
そうであることを祈りつつ、P/Sを調整してみることにします。
こんなこともあろうかと、ちゃんとP/S調整に使っている短いドライバーを
荷物に忍ばせておいたのであります。
ごそごそ。



この子があって良かった。
車載工具のドライバーでは長すぎてP/Sを回す事ができないのです。

朝からコンビニの駐車場でバイクを空ぶかししたりして迷惑この上ないですが、
しかたがありません。
しかもカバンの中身を散らかして、炎天下なのにバイク用のジャケットを着るその姿は 周りの人たちからはかなり奇異に写る事でしょう。
そんなわけで、恥ずかしさと怪しさを少しでも軽減させようと
欧米人のようにオーバーに首をかしげたりしてリアクションをとりながら
いかにも「バイクの調子が悪くて直してます!」とアピールしながら(謎)
P/Sをいじってみます。

ひととおり調整してみると、とりあえずは良いようです。
となるとやはりカブっていただけなのかな。
でも何で急に調子が悪くなったのか。
高い所に来て気圧が下がったからなのか、暑いからかなのか・・・。
(このときは朝早くなのに既に炎天下になってました)
それとも河口湖だからだろうか。

でも、やった! これで旅が続けられます。
しかしもう7時半を回っています。だいぶ時間をロスしてしまいました。
間に合うかな・・・。

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これで完治した事を祈りながら、再出発。
第2回全国OFFでの宿泊先「やまなみ」の前を通り過ぎ、
御坂峠を抜けて、山梨市内へ到着。
ここからは甲州街道(国道19&20号)を松本までひたすら北上です。

甲府、韮崎、諏訪、塩尻、とゆっくり遊びに行きたそうな町を
贅沢に走り抜け、北へ北へ・・・。
左手に釜無川、右手にブドウ畑、前方に4トントラック・・・。

うーん。
甲州街道といえば、歴史のある幹線道路。
当然交通量も多く、そして多くの田舎の国道がそうであるように狭いのです。
山梨長野の観光名所と言えども容赦しません。
トラックの後塵を浴びながらトロトロと100kmほど走り、意識も遠のこうと言う頃。
やっと松本へ到着しました。

このときの率直な感想。
ふー。やっと半分かあ。正直遠いなあ・・・。
でもちょうど時間どおり輪島に着くペース。順調順調♪

実際は半分どころかまだ1/3ぐらいなのに、認識大甘です。

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松本は観光名所だし、友人が学生時代に住んでいたということもあり
前から旅行に行きたいと思っていた町です。
ほうほう。中心部はなかなかこじんまりしていて私好みではありませんか。

ゆっくり観光したいところではありますが、今回は我慢我慢。
でも記念撮影ぐらいしたいなと思い、松本城前まで行ってみたのですが
やはり城をバックにバイクを入れて撮るというのは無理なよう。
しかたありません。また今度ゆっくり来るとしましょう。
それにしても暑いです。さすが盆地。

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松本からは北上するのは一時お休み。国道158号を東へ。
予想してはいましたが車が多いこと多いこと!
この道は日本有数の観光地である乗鞍、上高地へ行く唯一の道。
観光バスとファミリーカーにもみくちゃにされながら山道を またまた延々と走ったのですが、しんどくてあまり記憶にありません。

乗鞍スカイラインは今は一般車両は通行禁止になってしまったのですが、なるほど。
こんなに車が押し寄せたら封鎖にせざるを得ないかもしれないなあ。
行きたかったな。ジレンマですね。

ここでちょっと事件発生。
信号で止まって足をついたら、ロヘロになっていた私はそのまま涙の立ちゴケ。
車体を起こす時、妙にバイクが軽いな? と不思議に思ったら
後ろを走っていたBMW1100Rの方が起こすのを手伝ってくれていたのでした。
こういう時、たいていはジロジロ見ているだけで助けてくれる人って意外と少ないのです。
本当に感謝です。
私もこういうときはすぐに助けるようにしよう。

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その後の道はずっと飛騨の田舎の村。私の好きな日本家屋が残る田園風景。
何もないといえば何もないのですが、気持ち良いのです。
飛騨、高山はまた時間のある時に絶対に来たいですね。

高山からは国道41号。これを北上すれば富山に着くはず。
そういえば朝、牛丼を食べたきりです。 道の駅「アルプ飛騨古川」が見えたので久々に休憩することにします。



岩魚の炭火焼にむしゃぶりつき♪
他にも飛騨牛の串焼きも食べました。

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腹ごしらえも済んだし、先を急ごう・・・。
そう思った矢先、とんでもないものに遭遇してしまいます。



案山子?






















うわあ・・・






















あわわわわわ・・・






















へ〜い




一体・・・



まだまだいますよ。案山子ファミリー。

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ちょっと気が動転してましましたが、気を取り直して出発し、
富山に着いた時は既に16時になっていました。
うーん。ちょっと間に合わないなあ。
輪島で待っているBANDSの方に、先に宿へ行っててくださいとメールし
泣く泣く北陸道に入りました。
ここまで下道で頑張ってきたけど、仕方がありません。
さて。金沢まで60kmか・・・。

ということで、つづく

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現在の走行距離:家から約450km 経過時間:11時間30分
たった一日の出来事なのに、長々と4ページ目へ突入してしまいました。
ここまで我慢してここまで読んでくださったみなさん、
お待たせいたしました。間もなく輪島へ到着です♪

間もなく。のはずだったのですが・・・!
ここで私をがっかりさせる新事実が判明します。
(と言ってまた引っ張るのか)

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横風で吹き飛ばされそうになりながら北陸道を30分ほど走って
金沢から能登道路に入りました。
この有料道路を走れば輪島の近くまでひとっ飛び。
金沢と輪島はすぐ近く。そう思っていたのです。
ところが道路標識を見たら輪島までまだ100km近くあるではありませんか。

参ったなあ・・・。
っていうか、これは私が事前によく調べていないだけで、
新事実でもなんでもないのですが・・・。

走って走って、いつのまにか山の中に入って・・・。
日もすっかり暮れて時刻は能登道路を降りた時はもう7時半。
すっかり慌てていたのでガソリンが無い事を忘れてしまいガス欠。
運良くガソリンスタンド見えたのでバイクを押します(涙)

国道249号線は明かりも無ければ家もろくに建ってませんでした。
暗くて一体どこが道路なのかここが一体どういう場所なのか分かりません。
とにかくここを北上すれば着くはずです。
ということで、恐る恐る走りつづけ・・・

うわ! 冷たい!
なにやら急に水しぶきです。なんだか地面が濡れているし雨?
と思ったら違いました。潮です。しお。
暗くて分からなかったのですが、どうやら海岸沿いを走っているらしいです。
吹き飛ばされそな強風で道路もバイクも私も潮まみれなのです。

ああ、一体私はこんな所でなにをしているんだろう・・・。
正直、来て失敗したなあ、などと弱気になって走るうち再び山へ。
あと10kmほどのはず。

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この道で本当に正しいのか? いやその前に、ここは道なのか?
辛うじて舗装された林道みたいなところへ迷い込み、
人家も無く、明かりも無くエンジンを切れば、あおーん・・・
山の中で、ひとり。

山を登って降りると、遠くの方に灯りが・・・
山で迷った旅人が、やっと見つけた家に泊めてもらったが
実は狐に化かされていて、泥饅頭を食べさせられ身包み剥がされる。
昔話でよくありますが、そういう気分ってよく分かるなあ。
なんと。
やっと見つけた村は、みんなが待っている旅館のある村とは違う村でした・・・。

本当に泣きたい。
しかもここでまたバンディットの調子が悪くなってしまいます。
ドコドコドコ・・・

なんとか宿まで持つことを祈りながら、今来た山道を5kmほど引き返し、
山の中にある分かりにくい分かれ道を曲がり、下っていくと、おお! 海だ!
宿は海岸沿い。「アタケの岬」のすぐ近くなのできっともうすぐ。
ここでもやはりとんでもない潮風です。

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倒れそうになりながら細い道を走っていると、アタケの岬が見えました。
やったー(涙)

岬のカーブを曲がったその瞬間のことです。

ドバッ・・・!

今までに体験した事のないほどの突風が襲い掛かってきました。
ヘルメットのシールドが開き、タンクバックは吹き飛ばされ
落下防止のバンドで辛うじてぶら下がっている状態に。
思わず足を着き必死でバイクを支え、すぐに路肩へ移動してスタンドを出して
体勢を立て直し、立て直し・・・?
ん! 地図がないよ。

先週買ったばかりのツーリングマップル中部北陸編は無残にも
タンクバッグが飛ばされた時に海の藻屑となってしまったようです。
やっちゃったー(涙)

宿の正確な位置はわかりません。電話でBANDSのボスのhinaiさんに尋ねよう。
しかしここはお約束、圏外です。
地図もない、電話は通じない、バイクの調子は悪い、人もいない。
本日最大のピンチです。

そうだ! 1kmぐらい前に1軒家があった気が。
またまたあの岬を通り引き返し、ちょっと怖そうなお兄さんに恐る恐る道を尋ねると
良かった、親切に教えてくれました。
家の周りだけ携帯が使えたのでhinaiさんに電話。
あと5分でつきますっ!

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またあの恐怖の岬を通り、いよいよ見えました。田中屋旅館。
道路に出てきてくれたhinaiさんとタクローさんに導かれて
午後9時前にやっと到着!

わ・・・。
門をくぐると目の前に宴会会場のお座敷じゃないですか。
みんなに暖かく迎えられ、フラッシュの嵐。
スター到着の成田空港状態。
うう。ごめんなさいごめんなさい・・・。
ありがとうありがとう・・・。

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晩ごはんは山盛のお刺身でした。
輪島といえば輪島塗と海の幸♪(だと思う)

お刺身がとてもおいしい! 特に海老とイカはとろけそうです。
実のところ私は生魚が苦手なのですが、気になる臭いもなく
席の近かった関西勢のメンバーと談笑しながら
残した人のぶんまでひょいぱくひょいぱく食べてしまいました。
(それにしてもさすが関西人。すごいテンション・・・)

他にも見たことない海草やらなにやらがいっぱい。
とくに特産のいわしのいしるを使ったお吸い物がとてもおいしい。
「いしる」というのは魚介から作った醤油のことです。
旅館の方が言うには、これでもまだまだ中ぐらい。
なんとまあ。もっとおいしい魚があるのか・・・。

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ごはんの後は各自景品を持ち寄って恒例のビンゴ大会。
このビンゴ大会には私はひそかに闘志を燃やしていました。
というのも、前回参加した全国OFFのビンゴ大会で
名誉の(?)びりっけつになってしまったからです。
めちゃくちゃ酔っていて、ビンゴしていた(しかも2ヵ所も)ことに
最後まで気づかなかったのですね・・・。

今夜もビリだったらおいしいなあなどと言っていられません。
景品は早い者勝ちです。

そんなわけで手に汗握る戦いが繰り広げられまして
(酒瓶を握り絞めて寝てしまった人もいましたが・・・)
私は無事、rioさんの持ってきたバイク用のポーチを頂きました。
何気に昔から欲しいなあと思っていたものなので、とても嬉しい。
これで料金所に来るたびに煩わしい思いをせずに済みそうです♪
やったね。

ちなみに私の持って来た焼酎は、穀物なら何でも好き(笑)という
関西のとある方が獲得されていました。

ビンゴの後は、まったりと飲んだり話したり。
みんな塩で疲れていたのか、割と早めにお開きになりました。
今回のOFFは初めて会う方も大勢いらしたので、
もうちょっと多くの方と話したりしたかったかな。
うーん。でも気持ちよく酔えて最高です♪

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本日の走行距離:家から約636km 時間:16時間30分



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