<> うぇぶたま GSX-R1000K1 <> 

* GSX-R1000K1の紹介です *

道の駅 九頭竜にて

せつめい
スズキの2001年式 GSX-R1000K1です。
2005年の夏にほぼ新車の中古で購入。
2009年の春にGSX-R750K9への乗換えの為、売却。
約4年間、40,000kmの付き合いでした。

まさに「非日常への扉」という言葉がぴったり。

まだバイクの教習所に通いながら雑誌を読み漁り、 この先に待っている楽しいバイクライフをあれこれと想像していた学生の頃。

当初、やっぱりホンダがいいなあと思っていたのだけど 一台のマシンの出現をきっかけに頭の中からそんな思いが消え去りました。
00' GSX-R750

その圧倒的なパフォーマンスは、世界各地のレースシーンを席巻し
常勝の名を欲しいままにし、プライベーターはこぞってR750を買い求めた。

それから1年後。
見事に鈴菌に感染しバンディット400に乗っていた私は再びイナズマに打たれる。
01' R750の登場した当初から噂はささやかれていたが、 スズキは世界スーパーバイク選手権のレギュレーション変更にあわせ、 なんと、ほんどそのまんま 01' R750をロングストローク化しただけ というリッターマシンを投入してきたのだ。

そんな異例の誕生の経緯を持つモンスターこそが、 この 01' GSX-R1000K1である。

ホンダのファイアーブレードというパイオニアが切り開いたスーパースポーツというジャンルだけど、 今あるリッターSSという血脈は、このR1000K1を祖としていると思う。
それぐらい、このR1000がバイク界に巻き起こしたパラダイムシフトの波は衝撃的だった。

とは言っても、当時の自分には大型免許が無かった。
数年間、ただただ憧れるだけだったのです。

そして2005年夏。
いよいよ、恋焦がれたモンスターマシンを手にすることが出来ました。

ガマンしてたけど、終電終電の毎日にある日、プツっと何かが切れて 衝動的にバイク屋さんでハンコを押し、札束を叩きつけていました。
今でもその日の事はよく覚えています。

さて、前置きが長くなりましたが、腕もアリマセンがインプレなんぞを。

デビュー当時に受けたこの鮮烈なインパクトはR750に乗る今も変わりません。
スーパーバイク選手権を勝つために、満を期して世に放ったモンスター。
そして「初代」だけが持つ、やっぱりどこか特別なオーラを持った野獣だったなと思います。

他のリッターSSとは一線を画すR1000独特のロングストロークなエンジンに由来する ゴリゴリと低回転からあふれ出るぶっといトルクと、 鉈で殴れれたかと錯覚するような高回転での御しきれない怒涛のパワー。

そしてがちっとしたフレーム剛性と高荷重設定なサスペンションは、 大パワーを受け止め絶対的な安定性を与える代わりに、やや直進性も強く、 曲げるためにはハングオンによるかなり積極的な荷重移動を必要とし、 フロントに依存した現代的なハンドリングは、 文字通り土下座スタイルのライディングポジションをライダーに強要するという、 かなりスパルタンでドM向けな乗り味。
同じR1000でも、K5以降に比べると一回り大きいしポジションの自由度も小さめだと思います。

そうでありながらも、ツーリングや街乗りも難なくこなす、ジェントルさも持ち合わせ、
燃費も積載性も十分によく、ギア比がロングで下のトルクがあるので、 オートマ状態でのんびり走る事も得意(ポジションはキツ目だけどね)。
今としてはずんぐりとしたフォルムに似合わず、乗り出せば軽快で、 ジムカーナー的なこじんまりとした峠であっても扱いに困る事もなく、 リッチな低速トルクのおかげで手抜きして2速固定でもついてくる。

というように、レースシーンだけでなく、公道を走る乗り物としても、 まさに最強のスーパーバイク、死角なし。

ただ、やっぱり、自分には到底扱いきれないどころか底が見えず。
R1000に乗っているというプレッシャーも凄かったし、
小柄な自分には、足つき等で不安な面がありました。

そんなこともあって結局、降りてしまったけど、今でも、自分の中では特別なマシン。
願わくば、もう一度乗ってみたいとも思います。


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